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熊本地震での災害派遣活動(呉防衛部長)





救援物資を陸揚げする輸送艦「おおすみ」隊員(画像引用元:海上自衛隊ホームページ)



平成28年、呉防衛部長に在任中、熊本地震が発生。海上自衛隊は救援物資の輸送、生活支援等に従事しました。私も発災から5日間は作戦室付近で寝泊まりし、非常食を取りながら対応。現場からの情報収集をしながら、海上自衛隊に求められていること(現場のニーズ)と海上自衛隊にできることの優先順位を見極めつつ、迅速な支援活動をめざしました。


その時の活動の一部をご紹介します。


① 救助犬の資格を有する警備犬をいち早く現場に急行させました。(警備犬の持ち主は防衛部長です)

倒壊家屋を捜索する警備犬(画像引用元:海上自衛隊ホームページ)



② 呉から輸送艦で現地に救援物資を運びましたが、余力があったことから近隣の地方自治体に救援物資を輸送できる旨を電話連絡。いくつかの自治体からミルクやオムツ等、自衛隊の救援物資にないものを提供していただき、被災した方々からも非常に喜んでいただけました。


③ テレビ報道で自衛隊のお風呂に何も持たずに来ている人を見て、呉の部隊に石鹸、シャンプー、タオル、お菓子の提供を呼び掛けたところ、多くの隊員が物資を提供してくれました。ほかに下着を集めようと多数の企業に電話しましたが、大半は既に提供済みとのこと。そんな中、ワコールさんと話をとりつけることができ、提供していただいた男女用下着を現場の仮設浴場で提供しました。被災者の多くは、着のみ着のままで逃げ出すこどで精一杯です。大勢の方から安堵と感謝の声をいただくことができました。





④ お風呂後の癒しとなる音楽演奏開始は、被災者の雰囲気を見て現場自治体との協議で決められることとされていたので、要請があったときにいつでも対応できるよう、野外浴場の風呂番に音楽隊員を派遣。自治体からGOが出たその日から演奏を開始することができました。



震災の教訓から、各海上保安庁を自ら周り、災害派遣活動時に海上保安庁の巡視船に海自の燃料等を提供できる枠組みの必要性を説き、これを締結しました。



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