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地域社会と自衛隊をつなぐ活動(青森地方協力本部長)




「地本」という言葉をお聞きしたことはあるでしょうか?(一昔前は「地連」と呼ばれていました。)


地本の正式名称は、自衛隊地方協力本部といい、防衛省・自衛隊の機関のひとつで、北海道に4ヶ所、青森以南の各都府県に1ヶ所づつ計50ヶ所設置されています。さらにその下には地域事務所や募集案内所、出張所など、全国各地に400ヵ所以上ある地本関連施設があり、地本は「自衛隊の総合窓口」として、自衛官の募集から広報まで、自衛隊と地域社会をつなぐための活動をしています。



■地方協力本部組織(画像引用元:自衛官募集サイト)



私は青森地方協力本部長として、自衛隊が憂いなく活動していくためには国民の理解と協力が不可欠との思いから、自衛隊の知名度向上と好感度UPのための活動に尽力しました。


自衛隊への理解促進のため、様々なイベント、会合に積極的に参加し、かつ最後まで海上自衛隊の制服で通しました。なぜなら、青森(日本海側)の方は、海上自衛隊の制服すら見たことのない方が多かったため、まずは私自身が歩く広報塔として、ことあるごとに地域活動の現場に顔を出すことを心がけました。


結果的に1日中事務所に留まる日は四半期に1、2日程度ではなかったかと思います。「誘われたら断らない」をモットーに、機会があれば地元の方に会い、話を聞くよう心がけました。


在任時、青森の3自衛隊が有する音楽隊の合同演奏会を初めて開催。この時、海上自衛隊の歌姫こと三宅由佳莉さんも来てくれて、演奏会は大盛況。以後は毎年実施しているようです。




さらに青森ならでは経験をと、さまざまなことにチャレンジ。リンゴ栽培(摘花、摘果、葉取り、収穫の4回)、ほたて養殖(稚貝の籠の移動、水揚げの2回)、酒造り(米洗い、タンクへ米運び、麹混ぜ、酒絞り、酒粕詰め、酒瓶シール貼り等7回)、レストランでの皿洗いなどなど。


一番つらかったのは皿洗い。そこの社長と協議し、リストラして食堂を経営したい人という触れ込みで皿洗いをやったのですが、店長等に厳しく指導されて心折れそうになりました。その時の店長た、私が離任し青森を離れる時に手作りの特製弁当を届けてくれた時は嬉しかったですね。






ねぶた祭りには手振り鉦で参加しました。私のドライバーが陸上自衛隊のねぶた囃子部員であったことから、移動中の車の中で指導してもらって習得。私の地本長離任時には囃子部が乱入し、ねぶた囃子の演奏を披露してくれました。


机上の論理ではなく、現場に赴いて地域住民の声を聞き、活動をともにすることで、はじめて見えてくるものがあると思います。地域が抱える課題やニーズと真摯に向き合い、自衛隊ができることを考え、ともに歩んでいくことの大切さを学びました。


これまで自衛官と会ったこともないという方の多かった青森で、自衛隊と地域社会をつなげる活動がきたことは、私にとっても大きな喜びとなりました。そこで培った多くの方との信頼関係とネットワークは、今でも私の大切な宝物となっています。


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